TOMINONレンズが2本到着。

今日、長野県の富岡光学が昔製造した、
TOMINON(トミノン)レンズが2本届きました。

これらも海外オークションで落札した物件です。
いずれも100ドルを大きく超えてしまい、
私としては予想外の高価でのGETとなりました・・・∑(; ̄□ ̄A

TOMINONとは、長野県の富岡光学のオリジナルブランドですが、
このブランドで発売されたレンズは多くはありません。

YASHICA、RICOH、CHINON 等の
他社ブランドレンズをOEM供給していることが多かった
レンズメーカーです。
ヤシカ/コンタックス用のカールツァイスレンズを
ライセンス生産していたことは有名ですよね。


同じように、他社へのOEMが多かった長野県の
メーカーに、日東光学という会社もあります。
日東光学はレンズばかりでなく、カメラもOEM供給していた
時期がありました。
蛇足ですが、日東光学のオリジナルブランドは
KOMINAR(コミナー)でした。


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これが今日届いた2本の内の1本。
M42マウントのセミオート絞りの標準レンズで、
TOMINON C. 5cm/F2 です。
「C.」というのは、コーティングの略でしょう。
当然モノコーティングであって、マルチコーティングではありません。
セミオート絞りですから、おそらくこのレンズは1960年頃に
製造されたものと思われます。

このような、一眼レフカメラ用セミオート絞りのレンズで、
富岡光学オリジナルブランドのTOMINONが
存在していたとは知りませんでした。
私は海外オークションでこれを見つけましたので、
もしかすると日本国内での販売は無かったか、
別の国内ブランドに化けて(YASHINONとか?)
売られたのでしょう。




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ところで到着したこのレンズ、不満な点がありました。
絞り羽根直後のガラス面にカビが生えていたのです。
オークションでは、説明されていませんでした。
レンズを出荷した日も、オークション終了日から10日も
経ってからでしたし、ちょっと不満が残る取引でした。

しかし、レンズ内面のカビは跡形もなく完全に清掃出来ました。
レンズ前群側から分解して行った方が楽なレンズでして、
クリーニング液で簡単にカビは落とすことが出来たのです。

カビが落ちてしまえば、言うことなし。
クモリも一切無く、実にクリーンな光学系になっちゃいました(^^)v
各部の作動は完璧ですし、ガラス表面も無傷でしたし。



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ところで。
TOMINON C. 5cm/F2 に、かなり似たレンズを
私は持っておりました。

画面右に写っているのは、PENTAX S2(1959年発売)用
のセミオート絞りの標準レンズで、
タクマー55mm/F2です。
最短撮影距離も0.55mで、TOMINONと同じ。
鏡筒の大きさも非常に近いです。
正直、かなり似ているなという印象。

しかしPENTAXは昔から自社でレンズを
製造しておりました。
まさか標準レンズをTOMIOKAからOEM供給
して貰っていた、なんてことは無いでしょう・・・
タクマーの方はレンズの焦点距離が55mmで、
TOMINONとは5mm違いますしね。




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すみませんが、今度はさっきの写真とは
左右が逆転いたしました。
タクマーは画面左に写っています。

絞り羽根の枚数は、タクマーの方が多く10枚羽根。
TOMINONはありきたりの6枚・・・
しかも鋭角的な6角形ですねえ。
"o(-_-;*) ウ~ム、TOMINONは少し絞った時に
背景のボケに悪影響が出そうじゃなあ。

こうして見比べてみると、やはり前玉の曲率は
かなり違いますので、光学系は全く違うんだ
ということがわかります。

また、コーティングも違いました。
TOMINONは全部の面がアンバーコーティングですが、
タクマーは後群のコーティングがブルーになっています。


さて、、
私の手持ちのいくつかのM42マウントのボディに
取り付けて見たところ、多くのボディでうまく行きません。

セミオート絞りを作動させる、鏡筒後方に
出っ張っている「押しピン」の長さが
長過ぎるようで、カメラの内部にぶつかるようです。
絞りを開放に維持することが出来ず、常に絞りは
絞られるようになってしまいます。

セミオート絞りのレンズを使用していた時代のカメラ
PENTAX S2 につけても、やはりダメでした。

大丈夫だったのは、何故かPENTAX S2よりずっと後の
時代のPENTAX SP でした。

というわけで、このTOMINON C. 5cm/F2、
M42マウントのカメラにつけて使うことを考えるよりも、
マウントアダプターを使ってCanonのEOSに装着し、
マニュアル絞り状態で撮影した方が効率が良さそうです。




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本日到着したもう一つのTOMINONは、これ。
これは、アメリカに輸出専用で作られたレンズのようです。
おそらく1960年代、せいぜい1970年ころまでに製造されたものでしょう。

レンズ交換可能なポラロイドカメラ用の交換レンズ
の一つだったようです。

75mm、105mm、127mm、135mmなら、
今までにその存在を知っておりましたし、
現実に私は105mmと127mmは持っています。

105mmも127mmも、そして今回入手した114mmも、
いずれも光学系は3群4枚のテッサータイプでした。

ポラロイドフィルムの画面の大きさを考えると、
レンズのイメージサークルは、
大きくてもせいぜい6x9判(ろくきゅうばん)だろうと
思われます。

実際、私が既に持っているTOMINON 105mm/F4.5という
レンズのイメージサークルは6x9判まででした。
 (6x9判カラーリバーサルフィルムで実写してみたところ、
  このレンズはシャープさはほどほどで、階調の再現性に
  重きを置いているような、柔らかめの描写でした。)

しかし、私が所有するTOMINON 127mm/F4.5は、
より大判の4x5判(しのごばん)をカバーします。
 (4x5判のモノクロフィルムで撮影してみたところ、
  この127mmはかなり鮮鋭な描写をするレンズでした。)

今回入手したTOMINON 114mm/F4.5 も、
オークションの説明文には、イメージサークルが
4x5判をカバーすると書かれておりました。

4x5判カメラに114mmレンズを装着すると、
広角レンズになります。
おおよそ31mmくらいの画角になるだろうと思います。



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この、ポラロイドカメラ用に用意されたと思われる
一連のTOMINONレンズは、MP-4というコパル製のシャッター
を搭載しております。

シャッター速度は、B(バルブ)と
1秒~1/125秒までしかありません。

ISO 100フィルムで撮影するとして、真夏の晴天下の
海や山では、シャッターは1/125秒、絞りはF11半くらいに
絞らないと適正露出にならないでしょう。

ですから、このシャッターを搭載しているレンズは、
絞りを開け気味にして撮影することは不可能に近いです。
少なくとも、明るい時間帯の屋外撮影ではね。




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このMP-4というシャッターには、通常の大判用の
シャッターのように、シャッターチャージレバーや
レリーズレバーがありません。

ケーブルレリーズ孔に、ケーブルレリーズを挿して使うのです。
ケーブルレリーズでレリーズONすると、
自動的にシャッターが切れるのです。
つまり、シャッターチャージという作業が要らないのです。

便利といえば便利ですが・・・
逆にいえば、ケーブルレリーズが無いと撮影は出来ないことになります。

4x5判カメラにこのレンズを用いる時は、当然ピントグラス上で
ピント合わせをするわけですから、一時的にレンズのシャッターを
開放状態で維持しておかなければなりません。

このTOMINON 114mmのMP-4シャッターには、
シャッターを開放状態で
維持しておくT(タイム)はありませんから、
レリーズON(押し込んだ状態)の維持が出来る
ストッパー機構つきのケーブルレリーズを用い、
B(バルブ)+ストッパー機構でシャッターを開きっ放し
に維持し、ピント合わせを行わなければなりません。

画像は、そのようにしてシャッターを開きっ放し
にしてみたところを撮影しました。

絞り羽根枚数は、5枚ですね。
105mmも127mmも同様です。

この手のレンズは、
絞り込んでパンフォーカス写真を撮ることが殆ど。
背景をボカすことはまず無いわけですから、
確かに絞り羽根が5枚でも実用上問題は無いでしょうが・・・

個人的には、多枚数の絞り羽根の方が好きです。



以上、本日到着のトミノン2本の紹介でした。




この記事へのコメント

しかせんべ
2011年02月23日 10:46
相当前の記事ですが、ちょっと気になったもので御指摘まで…
長野県の富岡光学と記されていますが、富岡光学は東京都青梅市にあった会社です。現在は京セラオプティック(株)と社名変更して今でも測量機器や測定機器のレンズ製造をしています。長野にあったのは三信光学(CHINON)ですね。
管理人
2011年02月23日 12:45
しかせんべさん、こんにちは!

おおや、そうでしたか∑(; ̄□ ̄A !?
実は、私のこのネタは、
ある中古カメラ屋さんの
御店主(既に故人)から聞き及んだ
ことを書いておりました。

長野県では、
オリンパスと、ヤシカ/CONTAXと、
トミオカの工場が、
すぐ隣り合わせで立ち並んでいたと。

だから、同じ光学系を持つレンズが
存在するんだ、と教えられまして。

トミオカは、工場自体も
長野には無かったのでしょうか
-?∑(; ̄□ ̄A

しかせんべ
2011年04月24日 22:13
私が在職していたときにも長野に工場があったという話は聞いたことがありません。当然ヤシカ/CONTAXは提携企業としてレンズ供給をしていましたので技術者の派遣はあったと思います。元は東京市大森区にあった富岡光学を戦争疎開で青梅市小曽木に移転して現在に至ります。(この辺の事情はウィキペディアの「京セラオプテック」に詳しいです。)
富岡光学のレンズ…私も記念に1本所持しておりますが、最近は管理人様と同じようにマウントアダプターを介してデジタルで使ってます。私の場合はマイクロフォーサーズですが。
成田屋古漫堂
2012年04月12日 16:01
はじまめして。
富岡光学の工場の件ですが、1968年にヤシカの資本傘下になっていますので、ヤシカの長野工場で富岡光学としてレンズ製造を行っていた可能性があるのかもしれません(確認できていませんが)。OEMの場合、工場の所在をオープンにしない場合も多いようです。
それとご承知ではありましょうが高速シャッターが使えない場合は減光(ND)フィルターを使えば絞りを開けて使用できます(市販品に適合するフィルター径があるかわからないですが若干合わなくても工夫次第で)。

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